採点をしているとよくあるのが、いわゆる「おしい」間違いがとても多いということです。
なぜ、このようなことが起こるかというと、「記憶が途中の段階で止まってしまっている」ことが原因です。
セレゴ・メソッドという記憶の方法論において、記憶の段階は以下の①~④の順番に強化されていきます。
①ファミリア(familiar)=親近感
②リコグニション(recognition)=見分ける
③リコール(recall)=再生する
④オートマティック(automatic)=自動的→習熟
①のファミリアは「親近感がある」という意味で、「覚えたことがある」という漠然とした記憶です。
「聞いたことがある」、「知っているような気がするという感じがある」だけで、具体的に何かを思い出せるわけではありません。
ファミリアの状態になったら、覚えていない状態にかなり近いので、放っておけば学習したことがほぼ無効になってしまいます。
だから、ファミリアになる前に復習して記憶をもっと上の段階にしっかりと留めなくてはなりません。
②のリコグニションは「見分ける」という意味の言葉。自力では思い出せないけど、選択肢を与えられれば見分けることができるというレベルの記憶です。
テストの穴埋め問題で、選択肢があれば正解がわかるという状態の記憶のことです。
多くの人が、もったいないことにこの段階で止まってしまいます。
③のリコールは「再生する」という意味で、選択肢が与えられていなくても、自分で思い出すことができるという高いレベルの記憶です。
テストの穴埋め問題で、選択肢が与えられていなくても正解ができるということです。
人名や事項も漢字で記述ができる段階で、この段階に到達していないと、ちょっとしたミスを多発させてしまいます。
④のオートマティックは「自動的」という意味で、思い出そうとしなくても、自然に浮かんでくるさらに高いレベルの記憶のことです。
たとえば、自分の名前とか、家族の名前は考えなくてもすぐに浮かんできます。
いつも使っている言葉や知識というのは、自然にオートマティックの記憶になっていきます。
楽器の弾き方や自転車の乗り方など、最初は思い出しながら何度かやるうちに、考えなくても自然に手が動くようになります。
この状態がオートマティックです。
数学の公式などはオートマティックの状態になっていないと素早く問題が解けません。
複雑な数学の問題になるといくつも公式を使わなければなりませんので、その1つ1つを思い出している時間はないからです。
公式を使った問題を何度も解いて、オートマティックの状態に仕上げていかなければいけません。
英語の学習でも、単語が瞬時に引き出せるくらいまで単語帳をやりこんだり、普段の英語学習で文の構造を意識しながら何度も音読をする必要があります。
このような練習を普段からしっかりやってオートマティックな状態に仕上げていかないと、初見の英文を素早く読み解けるようになりません。
基礎を何度も何度も繰り返して身体にしみこませる必要があるのはこのためです。
習熟度が低い状態で決して満足せず、練度を上げてオートマティックの状態を目指しましょう。
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