「感情が動いたこと」=「記憶」

心理学に「エピソード記憶」という言葉があります。

人間は感情が動いたことが記憶に残りやすいという性質を持っています。

嬉しい、悲しい、痛々しい、辛い、アホらしい、バカバカしい、笑える、泣ける、などの感情です。

人間はエピソードや、物語と切っても切り離せない存在です。

古来から様々な民族で、伝承されている物語があります。

物語は、ある一定の教訓などをふくんでいて、小さいころから物語を聞いて育つことで、道徳など必要な要素を学んでいきます。

最初から教訓が提示されても、そこから理解が深まることはありませんが、エピソードや物語として提示されることで、感情が動き、感情が動くことで教訓を学びとっていくわけです。

深い理解と記憶というのは、エピソードや物語と密接に関係しています。

歴史の試験であれば、様々なエピソードが、人物の業績や性格に対する理解を深め、記憶をするのに大きくかかわっています。

歴史の授業で先生方が一生懸命エピソードを話すのは、それが理解を深め、記憶を助けるのに大きく関係しているということがわかっているからです。

英単語を覚えるのにも、エピソード記憶を利用することができます。

なかなか覚えられない単語は、例文とセットにすると覚えやすくなります。

例文というかたちで物語が頭の中に入ってくるからです。

英単語を発音してみて、それに近い発音のものは何かないかなと考えてみると、自分がすでに知っている言葉の発音と結びつくことがあります。

もちろん、すべての単語がそう結びつけられるものではないですが、意識的にやってみると、けっこう見つかるものです。

そうすると、すでに知っていることと、知らなかったことの間に物語が形成されて記憶の糸を手繰りやすくなり、記憶が再生しやすくなるわけです。

何かを記憶をするためには毎日の反復が絶対に欠かせないのですが、ただ反復するだけではなく、工夫をして自分なりに意味づけをすることが大切だということです。

記憶が得意な人は、自分で覚えやすい方法を工夫して覚えることを自然にやってしまいます。

それから、大切なのは友達同士の会話もエピソード記憶として残るということです。

「これは放課後の教室で〇〇がこんな風に覚えるって言ってたやつだ!」

「〇〇が下校中に言ってていた覚え方があまりにくだらなすぎてみんなで笑った」

友人との会話に加えて、場所や時間、自分の感情を記憶するのもエピソード記憶の特徴です。

「あのとき、あの場所で」という自分たちだけのストーリーをつくって、知識を増やしていきましょう。

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