テストは成績を伸ばすための材料

「なかなか成績が伸びない」と悩んでいる人は、自己分析が足りていないことが多いです。

分析なくして成長なしです。

「自分に何が足りなくて、克服するためになにをすべきか」という問いに対する答えの精度が実力の伸びを決めます。

「自分に何が足りないか」が自覚できていないと、いつまでたっても実力はつきません。つまり「何がわからないかがわからない」ということが問題なのです。

これがわかれば問題の半分は解決したことになります。

「自分に何が足りないか」ということを確認するために、まず分析すべきは以下のものです。

①小テスト

②定期テスト

③模擬試験

④大学入試の過去問演習

①~③はテストの分析です。

なかなか成績が伸びない人は、テストが成績を伸ばすためのツールであるということがわかっていません。

当たり前ですが、テストは成績を伸ばすために受けるものです。

現在の実力を知るために受けるということも目的の一つですが、成績を伸ばすために受けるという目的の方がはるかに重要度が高いです。

まず、①の小テストから。

小テストは受けっぱなしになっていないでしょうか。

小テストは短く区切った範囲で自分の弱点がどこにあるのかということを明らかにしてくれます。

小テストを範囲や単元で比較するということが大切で、苦手な範囲や単元は集中的に勉強する必要があるということを教えてくれます。

受験で大切なのは、「まんべんなく仕上げる」ということです。

ムラがある人は、特定分野で大量失点ということになります。

受験本番は、なぜか不思議なくらい自分が苦手な弱点分野ばかりがが出題されます。

でも、事前に苦手な範囲をなくしておいた人は、こうしたところで救われます。

次に②定期テストです。

定期テストも非常に優秀な分析ツールです。

定期テストは、小テストよりも様々なバリエーションの出題があります。

自分がどのようなタイプの出題が苦手なのかということがよくわかります。

また、自分がどのようなところでミスをしやすいかということもよくわかります。

ところが、定期テストは最も分析されていない試験です。

定期テストは直前に猛勉強をするのに、直後は放ったらかしにしているという人が多いです。

テスト返却の後どうしているのかを教壇から見ていると、伸びるか、伸びないかは一目瞭然でわかります。

伸びる生徒は、返却後問題と照らし合わせながら、一生懸命自分が間違えたところを直しています。

逆に、なかなか伸びない生徒は返却後、すぐに答案をしまって寝ているか、ぼーっとしているのです。

なんともったいないテストの無駄遣いです。

特に定期テストで分析すべきは自分のミスです。

ミスを抽象化してパターンを分析すれば、自分のミスがどのようにして起こるのかということを法則化することができます。

こうした努力が本番にミスで失点をなくすことにつながります。

受験本番は1点以下の0コンマで合否が決まります。

1点の間に何千人と存在している世界です。

面倒くさがらずにこうした努力をすることで、0コンマの差で救われることになります。

そして③の模擬試験です。

模擬試験は、予備校の先生方が最新の大学入試問題を分析して作成した、最重要知識を確認するものです。

模試は基礎的な良問の宝庫です。

「もしもしカメよ、噛め3回!」という標語があります。

まず、1回目は模試の過去問を研究して、範囲、難易度、時間配分を研究します。

これをやることで、「実力をつけるための模擬試験」、「モチベーションを上げるための模擬試験」という位置づけにすることができます。

これをやらない人は、「ぶっつけ本番の模擬試験」となり、E判定を連発して自信をなくすことになります。

実際の入試でも過去問を徹底的に研究するように、模擬試験も過去問にしっかり取り組んで受験する方が絶対に良いのです。

2回目は模擬試験の本番です。

本番の集中力で解くことは、実戦力をつけるために大切です。

慣れていないと、思わぬところで大量失点してしまいます。

入試の本番でミスをしないように、模擬試験で実戦力を磨くのです。

3回目は模擬試験の後です。

問題と解説を突き合わせてみると、自分がどのような知識が足りなかったのかということがよくわかります。

また、英語はSVOCを丁寧にとったり、古典は品詞分解をしながら読んでみると、ちゃんと解ける問題であるということがよくわかるのです。

全然解けなかった問題が、じっくりやってみると解けるという感覚を身につけることが大切です。

これをやると模擬試験が返ってきたときに判定が悪かったとしても、原因はよくわかっているので「次の模擬試験では絶対にリベンジできる!」と思うことが出来ます。

逆にこれをやらないと、自分の立ち位置が分からなくなり、志望校にいくら頑張っても受からないのではないか、とモチベーションを下げることになります。

最後は④の大学入試の過去問演習です。

多くの人が勘違いしてしまうのは、「模試で良い成績がとれること=入試で合格すること」にはならないということです。

実際に過去問を解いてみればわかりますが、模試の問題は標準的な問題が多いです。

一方、難関校の問題は、①標準的な問題、②やや難しい問題、③難しい問題で構成されています。

難関校になればなるほど、②や③の割合が増えていくわけです。

標準的な問題で点数がとれることが一番大切なことですが、②や③も無視はできません。

標準的な問題は難関校ではみんなが必ずとってくる問題です。

標準的な問題だけでは難関校は合格できませんので、模試で常にA判定が出ていても落ちてしまうわけです。

大切なことは、問題ごとの難易度の違いを理解するということです。

様々なレベルの問題が混在していると、どれもレベルが高い問題の様に見えます。

過去問を解きながら、難易度の高い問題に心を惑わされずに、解ける問題を着実に増やしていくためには、1学期中の基礎の積み重ねと、過去問の演習量が物を言います。

受験2週間前くらいの直前期になってようやく第一志望の大学の過去問を始める人がいますが、当然それでは遅すぎます。

もしそこで仮に足りないことがわかったとしても、十分に対策できるだけの時間がないからです。

「何が足りないか」という最大のヒントは志望大学の過去問にあります。

本格的に解くのは2学期からでも、早い段階で1年分は解いておくことを勧めます。

どれくらいの難易度、量の問題を、どれくらいの時間で解かなければならないのか、問題の形式はどうなっているのか、というのは早い段階で把握しておく必要があります。

できる限り早い時期に「自分に何が足りないか」ということを理解することで、長期的な期間を見据えた計画を立てることができます。

テストや過去問だけでなく、授業や講習も、「自分に何が足りないのか」を発見するためのきっかけやヒントを得るためのものだと思ってください。

受験は、努力をすることが当たり前で、自分と同じように周りの人も努力をしているということを自覚しなければなりません。

でも、努力以上に、「自分に何が足りなくて克服するために何をすべきか」という分析を自分でしなければならないということを多くの人が見落としてしまっています。

「自分に何が足りないか」ということは、当たり前ですが人によって違います。

常にアンテナを張りめぐらせて、「自分に何が足りないか」ということを考えていきましょう。

コメントを残す