何かうまくいかないことがあると、たいていの人は落ち込みます。
けれども、世の中というものは、理不尽さに満ちています。
人生においても、基本的には「負け」の方が多いもので、「勝つ」ことはめったにありません。
野球の世界では、超一流のバッターは4割近い打率を誇ります。
しかし、逆に言えば、超一流のバッターでさえ、打てない「負け」が6割以上を占めるのです。
どんな世界を見ても「勝ち」がベースになるものは、まずありません。
「負け」がほとんどといっていいでしょう。
だからこそ、その「負け」に直面したとき、どう対処するかがポイントになります。
当然のことですが、勝ったときは誰でも気分がいいし、強気になれます。
逆に、負ければ落ち込み、気力もそがれます。
しかし、それではあまりにも普通すぎます。
「逆張り」でいきましょう。
調子がいいときは油断しないように気を引き締めます。
そして、負けたときに、どれだけやる気を失わずにいられるか、平常心を保てるか。
そこで差がつくのだと思います。
みんながうまくいかずに気力を落としているとき、自分だけ折れない心を保っていられれば、その分有利に物事を進めます。
物事をうまくいかせるための方法を学んだとしても、本質的にはあまり意味がありません。
たとえ何らかの有効な方法があったとしても、時代や状況が変わればその方法が役に立たなくなり、やはりうまくいかなくなることが出てくるはずです。
大事なのは、うまくいかせようとすることではなく、うまくいかないことに対する「免疫力」を持っておくことだと思います。
それがないと、理不尽なことや負けに直面したときに、すぐに倒れてしまいます。
繊細よりも鈍感になったほうがいいし、記憶力がいいより忘れっぽくなる方がいい。
できれば悪口をいわれても聞こえないくらい、耳も遠いほうがいい。
そういう種類の「強さ」を持った人が「勝ち」なのです。
そこで思い出してほしいのが、予防接種です。
予防接種はワクチン、つまり弱いウイルスを体内に入れることによって、免疫力をつけているのです。
ですから、うまくいかないことやイヤなことは、その種の辛さに対する免疫力をつけるためのワクチンだと考えましょう。
そこまでの辛さに耐えられたということは、それ以上のことにも耐えられるかもしれない。
つらい目にあうということは、そのたびにワクチン注射を打っているようなものです。
ストレス耐性を高め、勝つことより負けないことのほうが、これからの時代にとって重要なことです。
人生「攻めよりも守り」です。
果敢に挑む攻撃力よりも、理不尽な攻撃に対する防御力や打たれ強さの方が、ずっと大切だと思います。
辛かったり、うまくいかなかったりした経験は、こうした防御力を高めていくれる、またとないチャンスなのです。