卒業生から今回のワグネル反乱について質問を受けましたので解説します。
事の発端は、民間軍事会社ワグネルの部隊をロシア国防省が傘下に入れようとしたことです。
ワグネルは5万もの傭兵を抱えています。
装備も最新鋭の兵器を保有していて、事実上ロシア最強の部隊です。
最近、戦争でワグネルが活躍することで、そのトップであるプリゴジンの発言力が増し、「政権批判」の一翼を担うようになっている実態がありました。
ワグネルを解体して国防省の傘下に入れることで、プリゴジンの発言力を封じ、軍の指揮命令系統を一本化する、というのがロシアの政権側の意図でした。
これをプリゴジンが拒否したことが今回の騒動の発端です。
プーチンはワグネルの反乱を徹底鎮圧する構えを見せましたが、ワグネルがモスクワまであと200kmまで迫ったところでベラルーシのルカシェンコ大統領が仲介し、プリゴジンは矛を収めることになりました。
プーチンも、最初は「裏切りだ!」といって非難したものの、プリゴジンに対する刑事訴訟は取り下げられ、ワグネル戦闘員も罪には問われない、ということになりました。
この経緯を踏まえると、プーチンに打撃を与えることが目的だったというよりも、プリゴジンはやむを得ず反乱を起こした、というところが実態だと考えられます。
プリゴジンはワグネルを取り上げられる前に、取引によって自身の生命をなんとか守ろうとした、ということです。
ただ、プリゴジンがベラルーシに入ったところで、プーチンと結託したルカシェンコによって殺害されてしまうという可能性もあります。
プーチンは自分に逆らった者を絶対に許さないことは、これまでの数々の事例を見ても明らかです。
一方で、プーチン政権が盤石ではないということも見えてきました。
ワグネルがモスクワまで200kmの距離まで迫った、という事実はプーチン政権を倒せる可能性を示唆したとも言えます。
ロシアにはワグネルの他にも37の民間軍事会社があり、私兵部隊がたくさんいます。
現在ロシアの国防省は、他の民間軍事会社も傘下に収めようとしており、民間軍事会社を運営するオリガルヒたちの中で、プーチンを打倒する動きが今後起こる可能性もあります。
今回のワグネルの反乱は、今後の情勢に関わるターニングポイントになるかもしれません。