これから進路を選択していく際に、自分が問われることは、「自分は何が好きなのか」ということです。
「好きなこと」を徹底的に極めていくためには、その内容であれ、それを実現するための手段に関することであれ、徹底的に勉強しなければなりません。
「社会に出てから最も求められるものは何か」というアンケートに対して、リクナビやマイナビといった人材系の大手の企業が出している結果の1位は「コミュニケーション力」です。
確かに仕事はチームでするものなので、コミュニケーション力は不可欠なものなのですが、アンケート上では表れてこない結果で最も重要な力は、「学習意欲」や「学習能力の高さ」なのだと思います。
社会はものすごい勢いで変化しつづけていますので、社会に出てからもずっと勉強し続けることが求められます。
すぐに役立つように見えることはすぐに役立たなくなりますので、本当に求められることは、「ずっと勉強し続けていける柔軟性を持っているか」ということです。
学び続けることの重要性を示すエピソードとして、『学問のすすめ』で有名な福澤諭吉の話があります。
福澤諭吉は、大阪の名門、適塾で蘭学を中心に学びました。
お金がなく、途中からは塾に住み込み、死に物狂いでオランダ語を勉強して、塾長にもなりました。
23歳のときには、江戸の藩邸で蘭学塾を開くほどに蘭学に精通したのです。
ところが、その翌年、外国人の多い横浜を訪れたところ、外国人は英語ばかり使っていて、自分がこれまで勉強してきたオランダ語がまったく通用しないことを知りショックを受けます。
さて、福澤諭吉がすごいのはここからで、その翌日にはショックから立ち直り、「これからは英語の時代だ」と、英語を猛勉強し始めます。
英語を教えてくれる人が近くにいなかったので、英語とオランダ語を対訳した辞書を基に独学で英語を学び始めます。
そして結局、非常に短い期間で英語もマスターしてしまったのです。
以上のエピソードからわかることは、変化の激しい時代に対応するために必要なのは、変化に対応するための学習能力であるということです。
こうした学習意欲や学習能力こそ、高校や大学といった高等教育の期間に身に着けなければならない素養なのだと思います。