ユダヤ教徒の守るべき聖典の一つとされている『タルムード』です。
ユダヤ教徒が守るべき聖典の中でも世の真理を突いた話が豊富にある『タルムード』は、古くから長きにわたって継承されてきました。
ユダヤ人の家庭では、タルムードを用いた読み聞かせが日常で行われています。
以前、このブログでも歴代ノーベル賞受賞者の少なくとも20%以上がユダヤ人であることを書きました。
ハーバード大学、イェール大学、コーネル大学、プリンストン大学の3人に1人がユダヤ人
であり、アメリカの長者番付上位400人のうち、139人がユダヤ人です。
Google創業者のラリー・ペイジ、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ、スターバックス創業者のハワード=シュルツ、GAP創業者のドナルド・フィッシャー、ゴールドマン・サックス創業者のマーカス・ゴールドマンなど、世界を動かす企業家たちにもユダヤ人が非常に多いです。
なぜユダヤ人はこれほどまでに優秀なのか。
その理由のひとつが『タルムード』にあります。
今回は『タルムード』の中かからユダヤ人の考え方がわかる説話を紹介します。
【誰にも奪われないもの】
あるとき、船に学者が乗っていた。
学者は、同じ船に乗っていた商人たちから、「いったいあなたは何を売るのですか?」と聞かれ、「私の商品は世界で一番すぐれているものです」と、答えた。
商人たちは、学者の寝ている間にその荷物を調べた。
しかし何もでてこなかったので、 みんなは、この学者はすこしおかしいのではないかと、陰で笑っていた。
長い航海を続けているうちに、船が難破した。
商人たちはみんな積み荷の商品を失って、ようやく岸にたどりついた。
学者はその町でシナゴーグへいき話をした。
そうすると、その町のどの学者よりも彼は優れていることがわかった。
そこで彼は、その町でたいへん大切にされ、賢者として富を積んだ。
これを見て、商人たちは感心して言った
「あなたはやはり正しかった。私たちは商品を失ったが、あなたの商品は生きている限り失われることがなかった」
これはユダヤ人の価値観を最も象徴する説話です。
これは「知識は誰も奪うことができない」という話です。
ユダヤ人の子どもは、幼いときから母親に、「世の中で一番大切なものは何か?あなたが生きている限り、人があなたから奪えないものは何か?」ということを繰り返し問われます。
子どもが「金」とか、「ダイヤモンド」と答えると、「いいえ、それは知識です」と教えられるのです。
ユダヤ人は歴史の中で長期にわたって迫害されてきました。
家を焼かれ、土地を奪われ、財産を没収され、国から国へと追われました。
ユダヤ人はどれだけ財産を築いても、迫害によってすべてを失うこともありました。
ナチスドイツによって600万人以上ものユダヤ人が虐殺されたこともありました。
どれだけ差別されても、迫害されても他民族はユダヤ人を滅ぼすことができず、ユダヤ人は生き残ってきたのです。
自分たちの価値観を失わず、長きにわたって継承してきたのです。
親を殺された子供だって、親から教わった知恵があれば、自分たちで未来を切り開き豊か な生活を勝ち取ることができます。
だからこそユダヤ人は、財産よりも頭に投資すること、つまり自分や自分の子供への教育 を重視してきたのです。
数千年に及ぶ迫害の歴史の中を生きてきたユダヤ人が、他民族とは違う独特の教育システ ムを構築し、教育のプロと呼ばれるまでになったのは、こうした背景があったわけです。