大学入試の問題は、難関校と言われる学校でも、基礎的な知識を問う問題がかなり出題されています。
赤本をはじめて解いたときは、どれもかなり難しく感じてしまいますが、その中に基礎的な問題も必ずあったはずです。
大学入試は「心理戦」です。
この心理戦に負けて、最初の大問が難しかったり、難しい問題が続いたりすると、弱気になって全然点数がとれなくなってしまうという人がいます。
細かい知識にばかりとらわれて本質を見誤ることなく、トータルで合格最低点に届くようにするという発想が大切です。
赤本を解く際は、「どういう問題で点数を落としたのか」ということを分析することが大切です。
特に、基礎的な問題は、絶対に点数を落としてはならないところです。
赤本と解く→テキストに戻る→赤本を解くという、スタイルで何度も参考書に立ち返りながら基礎を確認するような勉強をしていきましょう。
基礎の重要性は、すべてに通ずるものがあります。
奈良の法隆寺、薬師寺の宮大工だった西岡常和棟梁が、『木に学べ』という本の中で、こんなことを言っています。
“塔を大木のようにしっかり立てるためには、地面がしっかりしてなくてはなりませんな。
五重塔は相輪頂上まで、三十二メートルほど、総重量が百二十万キロもあるんですよ。
これが千三百年も沈むことなく立っていたのは、がっしりとした基礎作りがあったんです。
どうしたのかといいますと、塔の下にある地面にそのまま基壇を盛り上げるんではなくて、地面を、地山といいまして固いしっかりとした層まで掘り下げるんです。
これは強く、しっかりした粘土層で地表から五尺(約一・五メートル)ほど下です。
ここまで掘り下げて、固い地山の上に良質の粘土を一寸(約三㎝)ぐらいつき固め、その上に砂をおいて、つき固めというのをくり返して地上から五尺上まで基壇をつくりあげてあるんです。
塔や堂はこうしたしっかりした土台の上に立っとるんです”
記録にあるだけでも、四十回以上の大地震が近畿地方にあったそうです。
それでも、法隆寺の五重塔はいまでもしっかりと建っています。
建物の例ひとつとっても、いかに基礎工事が大切かということが分かると思います。
応用的な知識ばかりにとらわれるのではなく、まずは足元をきちんと見ましょう。
基礎的な問題で点数を落としているのに、応用的な問題にばかりとらわれているようでは合格点に届きません。
もちろん、難関校に合格するためには、応用的な知識を身につける勉強もしていかなければなりませんが、基礎の方がずっと優先度は高いということを忘れないようにしてください。
基礎はメンテナンスを怠ることなく、何度でも復習するものです。
毎日やっている基礎を反復するルーティーンを、最後の最後まで大切にし続けてください。