共通テスト形式の問題演習を重ねているところだと思います。
ボーダーを%(パーセント)で考えると抽象的になってしまうので、具体的にその大学の受験する教科・傾斜配点で難点の点数を取れば合計点数を越えられるのかということをしっかり考えて、あと何点足りないか、ということを明確にしましょう。
5教科8科目の900点満点の国公立大学であれば、共通テスト90%が810点、85%が765点、80%が720点です。
3教科の500点満点の私立大学であれば、共通テスト90%が450点、85%が425点、80%が400点です。
明確な目標となる数値が出たら、どの教科であと何点取ればボーダーを越えられるのかという作戦を考えます。
志望する大学と自分の成績の差に愕然としてしまうかもしれませんが、まだ間に合います。
大事なのは、問題演習の結果から、どの教科の、どの分野を補強する必要があるのかをじっくり考えることです。
弱点分野ほど、これから点数が伸ばせる可能性がありますし、何より「本番に絶対に出てほしくない」と思っている分野に限って、本番に本当に出ます。
ただやみくもに頑張るだけではダメです。
自分なりの工夫を考えましょう。
また、問題演習の際に必ず注意しなければならないのは時間を計ることです。
タイマーやストップウォッチは問題演習の必需品です。
今はスマホのアプリでも計測ができるのでだいぶ便利になりました。
普段から時間を厳密に意識せずに問題演習をしている人は、必ず時間を計るようにしましょう。
特に共通テストは、限られた時間内に基礎・標準的な問題をどれだけ正確に高得点を取ることができるかどうかが勝負になってきます。
「速く正確に解けること」が最大の価値なのです。
交通機関も、速いほど運賃が高いものです。
東京・大阪間では高速バス・新幹線・飛行機の順番で運賃が高くなります。
国際便でも、直行便ほど航空料金が高くなります。
たとえば成田からロンドンへ行く便は、香港やバンコクやドバイを経由する乗継便は安くなります。
交通機関は速さこそ商品価値です。
共通テストも速さとの戦いです。
英語や国語の解答時間は80分しかありません。
これがもし、120分だったら平均点は大幅に上がるでしょう。
「時間がなかった」は共通テストでは言い訳にしかすぎません。
「時間がない」は「力がない」の同義語となります。
共通テストで失敗する理由の一つは、ふだんから時間を計って過去問を解くという、当たり前のことをやっていないからです。
時間切れを防ぐには、必ずストップウォッチで時間を計って問題を解き、日常の勉強で本番の緊張感を演出しなければなりません。
共通テスト演習にストップウォッチは必需品です。
陸上部でストップウォッチ無しの練習は考えられないのと同じです。
時間を計れば、限られた時間の中で問題を解く判断力を磨くことができます。
共通テスト形式の問題を時間無制限で解いてばかりいたら、わからない問題に必要以上に格闘する悪い癖がついてしまいます。
共通テストに求められているのは、学者のように長い時間をかけて真理を探究することではありません。
短時間でサクッとこなす事務処理能力です。
駆け足で先を急いでいるのに、性の悪い難問とグダグダつき合っている暇はないのです。
過去問に慣れてくれば逆に5分、10分と制限時間より縮めて解くと実戦力は上がります。
本番の体感時間は光速のように短く感じるからです。
「本番に強い」受験生になるために、日常の勉強で「本番モード」を演出し、本番で不測の事態が起きることを防ぐような練習をしておきましょう。