吉田兼好の『徒然草』の中に、「木登りの名人」という話があります。
こんな話です。
昔、「木登りの名人」と呼ばれる人がいました。
その名人が、自分の弟子に、高い木に登らせて、木の枝を切らせていたときのことです。
弟子が、とても高くて危ない場所で木の枝を切っているとき、その名人は何も言わずに黙って見ているだけでした。
しかし、弟子が枝を切り終わって高い場所から低い場所まで降りてきたとき、その名人は初めて「気を付けて降りなさい」と声をかけたのです。
不思議に思った弟子は「なぜめまいがするほど高い所に登っているときに注意せず、あと少しで降りてこられる、というところで注意をたのですか?」と聞いたところ、名人はこう答えました。
「失敗というものは、あと少しだと思って気が緩んだ瞬間に、必ずしてしまうのです。」
とても印象に残る話で、「失敗の本質」というものをよく物語っています。
なぜこの話を紹介したのかというと、受験本番、試験問題と向き合ったとき、大きな見落としをしていることがあるからです。
問題を見た瞬間、「できる問題だ」と思った時ほど、実は危ないのです。
「できる問題だ」と思った時ほど、もう2、3度問題を読み直しましょう。
二重、三重にトラップがしかけられていることがありますので、トラップを一つひとつ丁寧に突破していくように、細心の注意を払って問題を解くことを心がけてください。
健闘を祈っています。