
「東大入試至高の国語第二問」という本があります。
実は、東大現代文の大問の二問目は、「死」を主題とした問題が、出題され続けています。
著者曰く「死に憑りつかれている」といって言いほど、「死」という問題を問い続けています。
この本は、実際に出題された金子みすゞの詩を扱った問題から、円環的な死生観を読み解いていくなど、「死」という簡単に答えの出せないテーマの問題を扱いながら、様々な角度から「死」について考察しています。
入試問題を解いていると、深いテーマの現代文や、社会問題についての新しい切り口を提示している英語長文などに出会うことがあります。
ただ何となく解くのではなく、考えながら解いていると、出題者の意図に気がつく瞬間があります。
入試問題は「このようなことを知った上で大学に入学してほしい」という大学側からのメッセージです。
こうしたメッセージというのは、「知識を集約するための知恵」の要素が強いものです。
そのため、入試問題演習をおこなうことで、頭の中で要点が整理され、知識が体系化していくということが起こります。
三年生と話をしていると、「入試問題でこんなおもしろい問題があった」というような話が出てくることがあります。
こういう瞬間を経験した生徒、つまり、大学入試問題を「味わう」ことができるようになってきた生徒は合格します。
おそらく、出題者の意図に気づくことができるくらいの力がついているという証拠だからなのだと思います。
おもしろい入試問題に出会ったらぜひ他の人とも共有してください。
「おもしろさ」は一人だけでは深められないもので、「自分はこう解釈した」というのをお互い共有することで、どんどん深まっていきます。
こういう共有ができるようになってきた集団は強いです。
もちろん、すべての入試問題が素晴らしいとは言えません。
中には悪問だらけの入試問題もあります。
ただ、こうした入試問題を解いていかないと、本当の良問に出会うことはできません。
だからこそ、量をこなすことは大切です。
ただし、ただ量だけをこなせばいいわけではありません。
じっくり考え、味わいながら入試問題を解いていくうえで大切なことは、一度時間を計って解いた後に、じっくり時間をかけて解き直しをしてみることです。
英語は、SVOCを丁寧にとって精読をすること、過去問の文章を音読すること、現代文は問いの根拠となる部分を本文で丁寧にさがしてチェックを入れていくこと、古文は品詞分解を丁寧にしていくことが大切です。
この「じっくり時間をかけて読みこんでいく」という勉強のやり方ができないと、いくら量をこなそうとしても力はつきません。
逆に最初にやったときに全然出来ない問題でも、時間をかけてやってみたら解けた、というのは必ず自信になります。
入試問題を通じて、大学で勉強する知の本質に少しでも近づけることを願っています。
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