知的好奇心を触発してくれる本②

①『動物農場』(ジョージ・オーウェル)

『動物農場』は、ロシア革命の発端と、その後のソ連にけるスターリン主義・全体主義への転落を、豚や馬、羊と言った動物たちを比喩として使うことで表現した作品です。

人間に酷使され続けた動物たちは、ある時人間を追放する革命を起こします。

しかし、豚の「ナポレオン」(スターリンがモデル)がライバルの豚の「スノーボール」(トロツキーがモデル)を追放して支配者となります。

その後、ナポレオンは反対するものを次々に虐殺し、人間以上に過酷な統治をおこなう独裁者になってしまうのです。

最初に読んで感じることは、豚の独裁者であるナポレオンの狡猾さや、残酷さに対する怒りです。

しかし、何度か読み返していると、最も愚かであるのはナポレオンに独裁を許してしまっている馬や羊など、他の動物たちであることに気がつきます。

他の動物たちは自分の頭で物を考えない上に、哀れなほど信じこみやすく、忘れっぽいのです。

この愚かさは、あまりにも我々に似通っているということに恐怖を覚えます。

「愚かな民の上に、厳しい政府がある」というのは、福澤諭吉の言葉ですが、示唆に富んでおり、現代を生きる我々の胸にも突き刺さる言葉です。

『動物農場』は、愚かな政治や政府を生み出してしまう構造をテーマとしていて、何度も同じことが繰り返されてきた歴史のことや、現在進行形の政治や国際政治のことを考えずにいられなくなります。

②『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン)

世の中、GIGAスクール構想というものがあり、小学校からタブレットを導入した教育が開始しています。

自分は、個人的にはタブレットの教育への導入は否定的です。

特に、低学年からの導入は絶対に失敗すると考えています。

先日も、うちの子どもたちが「学校でタブレットで検索の仕方を教わった」、「地図の調べ方を教わった」という話をしていました。

正直、率直に「なんで学校でそんな余計なことをするのかな。本当にやめてほしい」と思っています。

デジタル・ネイティブ世代は、別に教わらなくても自然にできるようになるものですし、デバイスの操作性自体は今後も進歩していくことでしょう。

「不易と流行」の「流行」に振り回されないでほしいと思うとともに、低年齢からタブレットを使うことによって過度に依存することが心配です。

デジタルデバイスや、様々なアプリ、ゲーム、SNSは、「天才」と呼ばれる大人たちが依存をするように仕向けたものです。

こうした依存が脳に悪影響を与えるということが、今少しずつわかってきています。

PISAの学力調査でも、文部科学省の学力調査でも、デジタルデバイスの使用時間が長いほど、学力が低下するということがわかっています。

デジタルデバイスの使用するほど学力が向上するというエビデンスがほとんどないのに対して、デジタルデバイスを使用するほど学力が低下するというエビデンスの方は山ほど出てきています。

スティーブ・ジョブズはわが子にiPadを触らせなかったと言います。

開発者自身が、依存することが子どもの教育にとって悪影響であることをよくわかっていたことの証拠です。

この本の著者であるアンデシュ・ハンセンはスマホをはじめとしたデジタルデバイスが脳に与える影響を、様々な事例をもとに紹介しています。

けっこう、思い当たることが多くてドキッとさせられました。

ハンセンは、デジタル時代のアドバイスとして、以下のような具体的な提案をしています。

・スマホの使用時間を自分で知る

・スマホの電源オフにする時間帯を毎日設ける

・通知はすべてオフにする

・スマホの表示をモノクロに(ドーパミン放出量が少ないそうです)

・集中力をなくすスマホは別の部屋に置く

・チャット・メールは時間を決める

・人と会うときはスマホは遠ざけ、会っている人に集中

デジタルデバイスから少し距離を取ることで、豊かな日常を取り戻していきましょう。

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